一般社団法人 愛媛イノベーションベースEHIME INNOVATION BASE
JUNC EHIME Conference 2026
愛媛の経営者ら290人が集結
「チーム愛媛」で次の成長を考える
EIB会員の皆さま、こんにちは。事務局の菊池です。
EIBが実行委員会として加わった「JUNC EHIME 2026」が9月24日、松山市で開かれ、愛媛の次の成長について、経営者らが真剣に語り合いました。
EIBからは運営委員会会長の高橋氏が登壇。会場は経営者や学生ら約290人が集まり、熱気に包まれました。
経験豊富な経営者らが「AI時代」「100億企業」「これからの愛媛」について何を語ったか。経営など全く知らないド素人の私ですが、聴講して、色々と考えさせられるイベントでした。
イベント:JUNC EHIME Conference 2026/開催日:9月24日/場所:松山市(南海放送テルスターホール)/実行委員会:EO Setouchi・EIB・たてヨコ愛媛・松山ローカル大学
OPENING
オープニング
オープニングトークは坂本大典氏(XLOCAL)。
4年前に愛媛に帰ってきたという坂本氏。「都市も地方も、人の優秀さは変わらない」と話します。
印象に残ったのは「有言不実行」という言葉。
「ホラはビジョンだ」と坂本氏は言い切ります。
「リーダーは主語を大きくして、できないかもしれないことを語ってほしい。そうしないと誰も地域に帰ってこない」と経営者らに訴えました。
SESSION 1
AI時代に愛媛企業はどう生きるか
AIが事業の前提を変える今、どう次の一手を打つのか。宮内謙氏(ソフトバンクグループ)、青野慶久氏(サイボウズ)、坂本大典氏(XLOCAL)が登壇しました。
宮内氏「経営者に一番大事なのは強烈な好奇心」
伊予市出身の宮内氏。AIについて「とにかく使いまくること」と話します。
中国でAIを駆使したOPC(一人企業)が数多くできている例を挙げ、「AIはまだ始まりだが、危険性があるからといって躊躇する企業は、あらゆる仕事に入れる企業とかなりの差が出る」と指摘します。
孫正義氏は、新しいテクノロジーが出てきたとき「これはすごいことだ」と強烈に思って行動していたといいます。
「経営者に一番大事なのは強烈な好奇心。10年後、事業を10倍にすることから逆算して行動してほしい」と語り掛けました。
青野氏「化学変化を恐れず、失敗に寛容に」
今治出身の青野氏。
インターネットの時代ですが、「図面や個人情報など、企業が持っている情報の9割は外に出ていない」との指摘にはっとしました。
確かに、自分の会社で見ても、フォルダに一応収めているというのが現状で、ほとんどのデータは社外どころか社内でも「共有されている」という状況ではありません。
青野氏は続けます。
「これをAIに取り入れるとすごいことになる。自社でどうやって使えるデータベースにしていくかが大切」。
今後の労働環境について「オフィスワーカーなど、これから社会全体で労働人口の移動が起こる」と予測。
「リスキリングや再雇用など、痛みを伴う部分もある。今から考えておかないといけない」と注意を促しました。
今後を見据え、「新しいテクノロジーが入ってくる時は、チャレンジにいいタイミング。化学変化を恐れないこと。失敗に寛容に」と挑戦を促しました。
SESSION 2
愛媛から100億企業を生み出すには
地域から「100億」規模の企業をどう生み出すか。相原輝夫氏(ファインデックス)、小野知一郎氏(やまとグループ)、高橋秀典氏(日昇・EIB会長)、太田恵理子氏(ハビリテ)が登壇しました。
相原氏「もう一度選べるなら、また上場する」
「上場企業とは何ですか?」と問われた相原氏。
「ラベルが付いた」と語ります。ラベルとは、信頼される企業の意。3カ月に一度の監査や株価が下がれば会社に電話がかかってきたり、辛いこともたくさんあるそう。
上場は「会社の10年・15年先の成長を約束すること」だと語ります。
それでも「もう一度選べるなら、また上場する」と即答しました。
「100億はマストではない」とも語りました。
「売り上げ100億円でも利益マイナス1000万円では意味がない。100億円は、自分たちの目標や戦う力をつけるための旗印」。
小野氏「組織はトップで99%決まる」
14年でグループ25法人、計120億円企業に育てた小野氏は新居浜出身。
小野氏は「自分だけ、金だけの『資本主義』ではなく、『永続』を目的としている」と話します。
2025年に会長を務めたYEG(商工会議所青年部)から何人かをグループの社長に据えているという小野氏。
「永続が目的だから、その人を信頼できるかの目利きが重要。そして時代の変化変容に合わせられた企業が生き残る」。
最後に「組織はトップで99%決まる。それだけ」と強く訴えました。
高橋氏「5年で100億超えの経営者に」
承継した会社とは別の領域に挑んできた高橋氏。ECや指定管理など、「何を遊んでいるんだ」と言われながらも応援されてここまできた、と歩みを振り返ります。
「成長にコミュニティーは必要か」との問いに、メンター・メンティーの活動が今の自分の支えになっていると回答。さりげなく相原氏に「メンターしてもらえませんか」とオファーしていました。
最後に「今は15億。今後5年で売上100億円を超える企業に育て、地域に影響を与えられる経営者になりたい」と会場に宣言しました。
SESSION 3
愛媛経済はどう変わるべきか
永野能弘氏(四国建販)、門屋光彦氏(門屋組)、守谷みどり氏(エポラ)、福本拓元氏(ニホンノチカラ)が議論しました。
愛媛経済を取り巻く人口減少や人手不足。「まだ危機感を感じにくい」という言葉が印象的でした。四国のGDPは日本の3%。景気は3年遅れてくるからブームに乗れない、という現状が説明されました。
一方で、愛媛には100億円企業が100社以上(四国・九州で2番目)。なんとなく経済も回っていそうでいいんじゃないか。そう思ってしまいがちなことが怖いと感じました。
愛媛経済のこれからと、変えるべき構造
永野氏は視察したドイツのサッカー文化に触れ、別の場所に行くとはっと気づくことがあるのだと言います。「海外や県外の文化に、学生が触れる機会をもっと創出してほしい」と訴えました。
門屋氏は会社の在り方を見直す中で、原点回帰を掲げました。「建物のドクターとして見守るだけでなく、地域も見守る。そこで、大手との差別化を図る」。
守谷氏は学生らが県外に出ていく現状に「松山にいい仕事があると伝えるアクションが必要」と指摘。「ちょっとずつできることをオール愛媛で。女性も男性も明るいまちにしよう」と訴えました。
SESSION 4
岡田武史と語る、これからの愛媛
岡田武史氏(今治.夢スポーツ)、大亀裕貴氏(ダイキアクシス)、村上茉利江氏(愛媛FC)、玉置竜氏(ネッツトヨタ愛媛)、宮嶋那帆氏(ローカル大学)が登壇しました。
遺伝子スイッチの入る瞬間
急遽監督として指揮を執ることになった1997年のW杯最終予選。岡田氏はあるとき「明日名将になれるわけがない。やれることをやる」と開き直った瞬間があったそう。「遺伝子スイッチが入った」との表現が興味深いものでした。
他の経営者らも聞かれると思い当たる節があるようで、即答する姿が印象的でした。
諦めなければ失敗ではない
失敗について問われた岡田氏。「思い出せない」と語ります。「失敗は頂上に行くための道しるべ」と表現。「諦めないから失敗と思っていない。ねちっこいんで」と会場を笑わせました。
FC今治についても、ポスターを貼った車で走ったり、チラシを配ったり。最初は誰も相手にしてくれなかったといいます。
こつこつと続けていくうちに「今治が変わるかも」と思ってくれる人が増えていったそう。
「住む人が生き生きとしていて、それをSNSで発信したら人は集まってくる」と語りました。
CLOSING
おわりに
このほか、中村時弘知事や新居浜・西条市長らがサプライズで登場し、会場を盛り上げました。
セッションを通じて繰り返し語られたのが、「愛媛の良さは、外に出て初めて気づく」という言葉でした。
地元にいると当たり前になってしまう魅力に、私たち自身がもう一度気づいて、伝えられるか。
また、失敗を恐れないこと、違いを受け入れることについてもたくさんの方が触れました。
ちなみに「JUNC」とは交差点という意味。この日、人は交わりました。行政や企業が、違いを受け入れながらも、「オール愛媛」の目的意識で、失敗を恐れず突き進んでいく。
これからどんな動きが巻き起こっていくのか楽しみになるイベントでした。
EIB(愛媛イノベーションベース)について
愛媛の経営者が、上下の関係なく本音で学び合う会員制コミュニティです。活動の様子は公式サイトと公式LINEでお知らせしています。